八重島窯業原料(株)の前進である八重島鉱山は1917年(大正6年)に創業。1948年(昭和23年)に共立窯業原料(株)対州鉱業所として事業を継続し、1984年(昭和59年)に八重島窯業原料(株)として独立した。年間5万トンの対馬長石を採掘。現在、「人にやさしく、環境にやさしく、社会にやさしく」をスローガンに、環境配慮型の鉱業所をめざしているという。
岩盤の斜面を階段状になるように整地しながら掘削していくベンチカット工法に加え、すり鉢状に掘り進む工法を導入、採掘場をすり鉢状にすることで、削岩機の音が敷地外にもれて騒音になることを防ぐ。さらに採掘場内に降った雨水や泥水を敷地外に出さず、一カ所に集められるので泥水の管理を容易にし、その水は3段階の沈殿槽を経由し、きれいな水にして湾の外に放出されるそうだ。また、島民でもその知らない人が多くいるように、景観上の損失も最小限ですむというメリットもある。
努力が実り、環境に配慮した鉱業所として、2008年(平成20年)には九州経済産業局局長表彰、2018年(平成30年)に資源エネルギー庁長官表彰を受賞した。