ゴボウはキク科ゴボウ属に分類される多年草。ユーラシア大陸北部が原産と言われているが、縄文から平安時代にかけて漢方薬として中国大陸から日本に伝来したそうだ。平安時代にはすでに栽培されていたという記録もあるらしい。食用に用いられるようになったのは江戸時代からで、品種改良もその頃から行われるようになった。
漢方薬としては主に解毒や咽頭痛の薬として使われており、水溶性・不溶性の食物繊維が豊富で整腸効果があると言われている。西洋では薬用ハーブとして珍重され、「バードッグ」という名前のハーブティー(つまり「ゴボウ茶」)として販売されている。
ゴボウの根を食しているのは、世界でも日本だけだそうだ。第二次世界大戦中、直江津捕虜収容所で食事にゴボウをおかずとして出したが、後にそれが「木の根」を食べさせようとしたと、捕虜虐待例の一つとして主張されたのは有名なエピソード。現在は海外でも日本食のブームとともに「きんぴらごぼう」なども見直され、ゴボウの美味しさも発見されつつあるようだ。