そばならではの香りや風味に優れ、ほのかな苦み、強いコシを持つ対馬在来種そば、「対州そば」。そばの原種に近い特徴が備わっていると言われ、対馬だけでなく全国のそば愛好家に、“食べにいくべきそば”の一つとして広く知られている。
近年の研究で、そばは中国南部からヒマラヤ周辺がルーツという説が有力だそうだ。日本では縄文時代草創期の高知県の遺跡でそばの花粉と種子が発見されており、9300年前にはすでに日本に伝来していたとされている。北海道でも5000年前のそばの花粉が出ているそうだ。また、 縄文後期の青森県の亀ヶ岡石器時代遺跡では花粉の分析により、そば栽培が行われていたことは明らかと言われている。
対馬で最も古い越高遺跡が7000年前くらいとされているので、日本のそばの本流が対馬経由かどうかは甚だ疑問だが、対馬のそば「対州そば」は、対馬に伝わってきた当時のそば、昔ながらのそばを維持していると言われている。