2021年2月7日更新
白嶽
【しらたけ】
眺めて良し、登って楽し
パノラマビュー嬉しの
九州百名山中の名山
対馬の自然を体感したいなら白嶽へ
古くから霊峰として崇敬され、九州百名山にも選定されている対馬のシンボル・白嶽(しらたけ)。テレビや雑誌でも紹介される機会が多く、登山者も多い。著名人がプライベートでよく登頂することでも知られている。
まず、魅力の一番は、その岩峰だろう。登れるものなら登ってみたくなる岩の頂き。遠くから眺めてもすぐに白嶽とわかる双耳峰で、この頂上に立ったら爽快だろうなー、と誰もが思うのではないだろうか。
しかも、周辺の森は洲藻白嶽原始林といい、大陸系植物と日本系植物の混生植生。国の天然記念物、壱岐対馬国定公園特別保護区にも指定されており、四季折々の植物観察が楽しめるとなればなおさらだ。
北側からドローンで撮影:下島の背骨のように、石英斑岩の岩尾根が連なる
遮る物がまったくない、360°の全パノラマ
白嶽の標高519mとそれほど高くないが、登る山としては秀逸だ。最初は沢に沿ったなだらかな道を歩き、少しずつ傾斜がキツくなり、後半は所々ロープを使いながら登らなければいけない急傾斜。そして最後は軽いロッククライミング。そして怖さを克服して頂上に登ると、そのご褒美のスーパービュー。
白嶽の360°パノラマは、単なる360°ではない。足元の岩以外は、全方向360°パノラマだ。頂上は平坦部はあっても岩なので、移動は注意しなければならないが。360°パノラマだからって、スマホを持って360°ぐるっと回転すると危ないが。そして風にも注意しなければならないが。
まさに、対馬の中心に立っている。誰もがそんな感覚になるのではないだろうか。
雄岳から北側をパノラマ撮影:浅茅湾、上島を望む
雄岳から南側をパノラマ撮影:黒土山、遠くに矢立山を望む
対馬山岳信仰の総社、霊峰・白嶽
山岳信仰は、山に対して抱く畏敬の念や、その雄大さ、人を寄せ付けない自然の厳しさに圧倒され恐れうやまう、人の心の働きから生まれた信仰だ。体系化された神道や仏教以前の信仰で、日本各地にある。また、そういう山は、修験道の修行をおこなう行場にもなっている。
白嶽は、対馬の自然の中で一際人を引きつける山だ。昔の人がそこに神を感じたことが納得できる山だ。
頂上直下に白嶽神社の鳥居があるが、その奥、雌岳の岩の奥が神聖な場所だと言われている。また、洲藻の村はずれにある白嶽神社は、遥拝所的な役割を担っている。
祭神・大山祇神(オオヤマツミ)とは、
いわゆる「山の神」のこと⁉
白嶽神社の祭神とされている大山祇神(オオヤマツミ)は、日本神話、つまり『古事記』に登場する男神で、イザナギとイザナミの間に生まれたとされている。ただし、大山祇神自身が登場するわけではなく、○○の父、□□の母の父とかという形で間接的に登場する。
このことからも山岳信仰等で「山の神」として祀られていた神々が一括りにされ、大山祇神として日本神話に取り込まれた可能性も高く、つまりどの神社の大山祇神も同じとは限らず、地域の氏神であったり産土神であった可能性もあるといわれている。まさに白嶽の神様はそのような神ではないだろうか。
左の岩峰が雄岳、右が雌岳
【アクセス】
●白嶽登山口までは、車(レンタカーやタクシー)でのみアクセス可能
鶏知から県道24号線を約7分走り、洲藻入口を左折。約15分で白嶽登山口に到着
登山口前には5,6台駐車可能
【トレッキング】
●白嶽登山口から山頂までは約2.2km
所要時間約75分:登り40分、下り35分(休憩含まず)
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