対馬全カタログ「観光」
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2022年2月29日更新
烏帽子岳展望台
【えぼしだけてんぼうだい】
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車で行く絶景ポイントNo.1
浅茅湾を眺め、対馬を眺め、
はるか昔に想像を巡らそう
目の前に浅茅湾、そして360°の眺望
 リアス式海岸と島々が織りなす浅茅(あそう)湾の美しさ。この対馬ならではの景観を多くの人に楽しんでもらおうと、烏帽子岳展望台は1990年頃に設けられた。眺望360°の絶景ポイントNo.1は白嶽に譲るかもしれないが、ここは誰でも気軽に車で行くことができる。
 浅茅湾だけでなく、浅茅湾越しの下島の山々、そして上島の山々、稜線のかなたの水平線、島の上に漂う雲。360°をどのように切り取るか、楽しむかはその人次第だ。
南東には「奥浅茅」「濃部浅茅」と呼ばれる多島海域
北側の眺望
夕日+360°の眺望。つまり夕日・夕景の名所
 烏帽子岳はとりわけ夕日によって変わりゆく空の色や山々の陰影を眺められる絶好のポイント。これは暗くなると移動が困難になる白嶽では難しい。
 日の入りは朝鮮半島方向ではなく、済州島(チェジュ島)方向。東シナ海に沈む。季節はもちろん、空気の状態、風の強さ・方向、雲の種類・漂い方などによって、さまざまな夕日、夕焼けに出会うことができる。
浅茅湾を眺めながら歴史をたどると・・
 烏帽子岳から俯瞰できる景色のほとんどは何千年も前から変わっていない。この景色の中を、日本初上陸の品々を載せた百済船がどれほど往来しただろうか。最澄も唐からの帰りに浅茅湾を通ったらしい。中世には倭寇の船が闊歩し、また倭寇を誅する応永の外寇では朝鮮の船が湾の奥まで侵入してきた。
 江戸時代にはロシアの軍艦に浅茅湾の一部を占拠されたこともあった。日本海海戦では、決戦の海に向けて水雷艇が竹敷から出陣した。
 戦後は渡海船が大活躍。対馬縦貫道をバスが通るようになるまで樽ヶ浜と仁位の間をピストン輸送し、浅茅湾沿岸の村々を結んだ。太古から変わらぬこの景色の中で、さまざまなドラマがあったに違いない。
2000年頃の渡海船
昭和の観光開発のたまもの
 「烏帽子岳」という名称は、仁位方面から見ると頂上の石が烏帽子の形に見えることから付けられたそうだ。ここから最も近い糸瀬地区では「糸瀬山」と呼び、南側から眺めることになる嵯峨では「甑か嶽(こしきがたけ)」と呼ばれた。標高176mだが、この辺りでは最も高く、昔から眺望の良さで知られていたそうだ。
 その眺望を観光に活かそうという観光開発プロジェクトが進められ、観光道路烏帽子線(全長1,274m)は昭和59年度に着工、昭和62年度に完成した。
 その後、広い駐車場もでき、対馬を代表する観光スポットとして多くの人々を引きつけている。
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