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2021年4月6日更新
タイトゴメ
【ベンケイソウ科・マンネングサ属】
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大唐米と書いてタイトゴメ。
海岸の岩場に群生し
初夏~夏に黄色い花を咲かす
珍奇ともいえる名称の由来
この黄色い花の名前が「タイトゴメ」であり、それが和名であることに、少し驚く人は多いのではないだろうか。さらに漢字で表記すると「大唐米」。素直に読むと「だいとうごめ」か「だいとうまい」だ。
大唐米は、ベトナム原産の小粒の米のことで、宋の時代(10世紀~13世紀)に中国に広まり、日本には11世紀頃に渡来。室町時代に西日本で広く栽培されるようになった。収穫量は多いが小粒で美味しくなく、下等品として扱われた。その小さな粒に、この植物の葉が似ていることから「大唐米」と命名されたそうだ。それがどうして「タイトゴメ」と読まれることになったのかは、資料不足でわからない。
枝を覆う粒々は、大唐米に似ているという多肉質の葉
家庭でも栽培できるが、難易度は高い
タイトゴメは、関東地方以西の本州、四国、九州の海岸の岩場に自生する。茎は地表をはい、そこから多数の枝が出て密生。枝は真上にあるいは斜め上に伸び、その周囲全面に米粒のような葉が付いている。
花期は5〜7月。高さ5〜12cmの花枝の先に、花弁長4〜5mmの黄色い花をつける。晩秋になると、星形の袋状の実がなる。
日当りのよい環境を好み,多くは乾燥に強く,挿木で容易にふやすことができるそうだ。耐寒性はあるが、生育難易度は高いと言われている。
咲き始めの頃のタイトゴメ
写真:國分英俊氏
花期終期のタイトゴメ
写真:國分英俊氏
豆酘崎の崖を彩るタイトゴメの群生
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